大野一雄舞踏研究所 公式Webサイト

公演のご案内

大野一雄フェスティバル2015
生活とダンス

大野一雄の稽古場、大野一雄舞踏研究所は大野自身と家族が棲む家の隣に建てられました。生活の場と踊りの場が地続きに隣り合わせであることは、大野一雄の創作に深く関わることであったと思われます。大野一雄がしばしば語った「生活が踊りの先生だ」とは、概念ではなく、実践でした。1980年最初の欧州公演以降多くの研究生が海外から来日し、研究所周辺に滞在しながら、舞踏の稽古を行いました。研究所に迎えられる研究生は、ときに隣接する家族の食卓にも快く迎えいれられました。生活とダンスの地続きの実践から新しい芸術が生まれてほしい、大野一雄舞踏研究所におけるアーティスト・イン・レジデンスはそのようなものであると思います。本フェスティバル開催にあたり、公演、展示と共に、国内外アーティストのレジデンスプログラムを始動します。制作を原則公開し、滞在の最後に成果発表を行います。皆さまのご来場を心よりお待ちしています。

2015年10月3日(土) ~10月25日 (日) BankART Studio NYK

チケット情報詳細・会場アクセスの詳細

アーカイヴ展示
■10月3日(土) -10月25日(日) 11:00〜19:00 入場無料

1961年横浜市保土ヶ谷区に開設されて以来、大野一雄、大野慶人、土方巽始め多くの舞踏家、国内外アーティストの創作の場となっている大野一雄舞踏研究所の活動を写真、映像等で紹介します。また特別展示として本年急逝した室伏鴻氏のソロ作品「quick silver」の完全映像を上映します。「quick silver」は大野一雄フェスティバル2005で、当時まだ未改修のBankART Studio NYK3階で初演されました。

大野一雄フェスティバル2015 フライヤーPDF / 1.8MB / 2pages)

ダンス作品公演

リヨン都市共同体国立振付センター芸術監督ユヴァル・ピックと大野慶人、世界を代表する二人の振付家/舞踊家の最新作を上演します。


ユヴァル・ピック
「loom」+「YK15」(新作)

「loom」は、ビョークやアントニーとのコラボレーションでも知られる音楽家ニコ・マーリーのピアノ曲と、ユヴァルの編み出す身体言語が対話するように展開するデュオ作品。音楽の作り出す空間に、四肢の振りを最小限にして繰り返される体幹の動きが、機(はた)を織るように織り込まれていく。「呼吸」という生理的運動を基本に動きを構築し、日常の身体に埋め込まれたリズムと原初的なエネルギーを再発見していく。「YK15」は世界初演。

10月3日(土) 18:00 開演

10月4日(日) 14:00 開演

 

※上演時間約1時間
※10月3日終演後にオープニングレセプションを開催します。


「loom」(2014)

演出・振付 : ユヴァル・ピック

出演: 小林円香、ジュリー・シャルボニエ

音楽: ニコ・マーリー

制作: リリュー・ラ・パプ国立振付センター (リヨン都市共同体)

制作協力: レ・シュブシスタンス


「YK15」

演出・振付 : ユヴァル・ピック

出演: 小林円香、ジュリー・シャルボニエ、ジェレミー・マルティネス、アレクサンダー・スタンダール

ユヴァル・ピック
1970年イスラエルに生まれる。1990年代よりバト・シェバ、リヨン国立オペラ座バレエ団に参加、オハッド・ナハリン、テロ・サリネン、ラッセル・マリファント等著名な振付家とのコラボレーションを行う。2011年リリュー・ラ・パプ国立振付センターのディレクターに就任。2013年大野一雄フェスティバルに参加初来日公演を行った。

大野慶人
「花と鳥 舞踏という生き方」

大野慶人のソロ作品。1959年、舞踏の最初の作品「禁色」で土方巽と共演した大野慶人は、翌60年、細江英公の実験映画「へそと原爆」に土方と出演、その後60年代舞踏草創期の土方作品に参加した。また、大野一雄の代表作「ラ・アルヘンチーナ頌」(1977) を制作し、土方巽逝去後は演出も行った。このソロ作品「花と鳥」では、土方が大野慶人のために振り付けた三部作を上演する。また、大野一雄「ラ・アルヘンチーナ頌」冒頭シーン「ディヴィーヌ抄」を、衣装、音楽をそのままに大野慶人の新たな作品として創作する。幕間に映画「へそと原爆」完全版 (14分) が挿入される。舞踏の起点から現在までを生き抜く大野慶人の舞踊史を語る作品である。

10月16日 (金) 19:30

10月17日 (土) 18:00

 

10月18 日(日) 14:00

※上演時間約1時間
入場料:前売り2,500円、当日3,000円(学生・シニア 各500円引き)


大野慶人
1938年東京に生まれる。1959年土方巽の「禁色」で少年役を演ずる。以後、アルトー館、暗黒舞踏派公演に参画。1969年初リサイタルのあと舞台活動を中断。85年「死海」の大野一雄との共演でカムバックした。86年以降大野一雄の全作品を演出。1998年、郡司正勝氏の遺稿を基に自身のソロ作品「ドリアン・グレイの最後の肖像」を上演。近作に「たしかな朝」(2010)、「時の風」(2012)など。著書に「大野一雄 魂の糧」(フィルムアート社)、DVD「花と鳥 舞踏という生き方」(Canta Co.Ltd)。

レジデンス制作とワークインプログレス上演

国内外のアーティストがフェスティバル期間中に会場内で公開制作をし、ワークインプログレスの上演を行います。公開制作は無料で観覧できます。

滞在アーティスト公開制作

向雲太郎  10.4~10.25 (10.8, 9を除く)

立石裕美 10.5〜10.25 (10.8〜10.12 10.17〜10.19を除く)

ANTIBODIES Collective  10.6〜10.12

アレサンドラ・スーティン 10.3〜10.25

ジュリー・ヤリソア 10.3〜10.25



ANTIBODIES Collective
「Dugong」ワークインプログレス

効率が生活の一部始終を支配する加速の世界
私たちは光速ネットワークで構築された閉域を忙しく行き交う
いま事象の地平線を一頭のジュゴンが漂っている
消えかかった蝋燭のように揺れるその遺伝子がみえる
依拠する場所を失って砂塵のようなデータの中に消えていく私たち自身の姿のようでもある
舞台は時間の反加速装置である
そこで私たちは行為という始原的な場所に立ち返り難民となって「囲い」の外へ向かう
存在の極限を漂流する生命のひたむきな「いま」の中へ
外出禁止令の刻限はとうに過ぎている

10月12日 (月・祝)
マチネ 15:00開演
ソワレ 19:30開演

入場料:前売り2,000円、当日2,500円(学生・シニア 各500円引き)


ANTIBODIES Collective
ANTIBODIESは『抗体』を意味する単語。「インターディシプリナリー」なコラボレーションの形態を発展させていくことに焦点をおくスペシャリストの集合体として、2015年、パフォーマンス・アーティストの東野祥子とカジワラトシオによって設立。2000年にダンス作品の制作を開始して以来、国内外での公演活動を続けてきた「Dance Company Baby-Q」を母体としている。 ダンス×音楽×美術×映像×照明×特殊美術のアーティスト/ダンサーが集い、横浜BANKARTにてクリエーションパフォーマンスを行う。

滞在アーティストワークインプログレス作品マラソン上演

向雲太郎 「Butoh? in Progress」

立石裕美 「1960イチキューロクマル」

アレサンドラ・スーティン (ジンバブエ)

ジュリー・ヤリソア (マダガスカル)


10月23日 (金) 19:30開演

10月24日 (土) 18:00開演

10月25日 (日) 14:00開演

入場料:前売り2,000円、当日2,500円(学生・シニア 各500円引き)


向雲太郎
「Butoh? in Progress」

舞踏って何だろう?前衛的で先鋭的だった舞踏。知っているようで実はよく知らない舞踏。その舞踏を言葉と映像とからだを駆使して尚かつ香具師の手法で解説をしてその様々を観客にプレゼンテーションしようという試みである。また創って行く過程も観客に見せることによってその面白さ、真髄を観せようという試みでもある。制作過程での客とのやりとりそして対話で発見し気付き、日々更新されて行く進行中の「舞踏?」である。

向雲太郎
1994年 大駱駝艦入団、麿 赤兒に師事。2012年退団、14年カンパニー『デュ社』を旗揚げ。踊りとは何か?新しい舞台表現とはどういうものか?と問い続けながら面白いということにこだわり、作品を創り続けている。その特徴は、舞踏にあるまじき軽妙さにあり、また 人間の心の闇に迫り人間は根源的に自由なのだと体現する、師から受け継いだ何でもありの破天荒な演出、そして世界観にある。 セゾン文化財団シニアフェロー。




立石裕美
「1960イチキューロクマル」

1960年代、ニューヨークのジャドソンチャーチで起こった革新的なダンスのムーヴメント。その中心人物であったイボンヌ・レイナーとトリシャ・ブラウンの言葉や実践から私は次のような事柄に興味を持った。パッションやセクシーさを見世物にしない。座る、立つ、横になるといった日常の基本的な動作からダンスを作る。身体こそが唯一、リアルなものであり続ける。 私はこれまで自分が踊ってきたダンスというものと、決別しようと思う。




立石裕美
母親(元宝塚歌劇団)の影響で幼少の頃よりジャズダンスを始める。2010年ベルリンへダンス留学。2012年~14年、日本 – フィンランドダンスレジデンスエクスチェンジプロジェクト、エルヴィシレン作品「KITE」に参加。2013年ソロ活動を開始。2015年「1960イチキューロクマル」シリーズを開始する。近年はジャンルに囚われず、オリジナルなダンスを模索する。



ジュリー・ヤリソア (マダガスカル)

マダガスカルの首都アンタナナリボ出身、8歳の時から舞踊を学ぶ。2003年にアンタナナリボを拠点とするラリー・カンパニーに参加。マダガスカルの伝統文化、現代文化とコンテンポラリーダンスから自身のスタイルを創出している。マダガスカルのストリートダンサーたちと街中で踊るなど日常的に交流している。2004年、アンジョロムバラ・カンパニーを設立、アフリカ、ヨーロッパで公演活動を行うと共に、小規模のレジデンスも行えるダンススタジオを運営する。(助成:平成27年度文化芸術の海外発信拠点形成事業)




アレサンドラ・スーティン (ジンバブエ)

ジンバブエの首都ハラレ出身。ブリュッセルで育ち、ロンドンのラバンセンターとミドルセックス大学で舞踊を学ぶ。現在ロンドンを拠点に活動。ヨーロッパのコンテンポラリーとアフリカの両方に文化的ルーツをもつ、都市的なハイブリッドダンスを目指している。2007年、ヴォーカブダンスカンパニーを設立、ロンドンのサドラス・ウエルズ劇場、プレイス劇場、バリのルイ・アラゴン劇場等で作品を発表している。近作に「Where is Home?」(2015) (助成:平成27年度文化芸術の海外発信拠点形成事業)

Information

チケット

入場料金: ダンス公演 前売り2,500円、当日3,000円
ワークインプログレス上演 前売り2,000円、当日2,500円

学生・シニア(60歳以上)500円割引 学生証等提示して下さい


予約・お問い合わせ:

ご予約は、氏名・連絡先・公演名・観覧日・開演時間をお書き添えの上、下記までメールにてお申込み下さい。電話またはFAXでのご予約も承ります。

BankART1929 ohnofes@bankart1929.com

TEL 045-663-2812 FAX 045-663-2813



アクセス


【BankART Studio NYK】

横浜市中区海岸通3-9 TEL 045-663-2812
みなとみらい線馬車道駅下車6番出口[赤れんが倉庫口]より徒歩4分

※「BankART Studio NYK」は、横浜市との協定によりNPO法人BankART1929が運営しています。



予約・お問合せ先:  ■大野一雄舞踏研究所事務 局 /(有)かんた
TE/FAX 03-3450-6507
主催:  ■大野一雄舞踏研究所、BankART1929
共催:  横浜市文化観光局
助成:  在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ パリ本部、リヨン都市共同体
協力:  Ecole des Sable (セネガル)